会社の同僚がこんなことを問いかけてきた。
「息子と遊ぶのが苦痛。妻と趣味嗜好が合わない。休日ってどうしてる?」、「休日なんだから、一人で漫画を読んだり、ゲームをガッツリやりたいよ。」とのこと。
「じゃあ、試しに一度好きなようにやってみては?やってだめなら、違う方法を考えよう」と魂のこもっていないアドバイスをしてみた。
「無理無理、本当にやったら、嫁から反感を買いそうでできないよー(笑)」とのこと。
コイツ、ハナから実行する気も無いくせに、僕にクソみたいな問いかけをしてきたということだ。人の時間をなんだと思っているんだろうか、神経を疑ってしまった。
ムカついたので。
その程度のことを、実行する前からグジグジしなくても大丈夫だって、結構些細でどうでも良いことに気付くから。
だから週末にダラダラ漫画が読みたいなら、一度ガッツリと漫画喫茶に行ってこいよ。それで奥さんが、「なんで週末ぐらい家事と育児に協力してくれないのよ」と発狂して喧嘩になるならそれまでのことだし。嫌味を言われる程度であれば、どのレベルなら許してもらえるのか?という話し合いに発展して妥協点を見出すことができるかもしれない。
まあ、どっちにしろ、一度家族をないがしろにして朝から晩まで漫画喫茶に入り浸ってみればいい。独りよがりな行動をして一瞬は満足するんだけど、結局何の生産性もなくどこか虚しさを感じている自分にきっと出会うことができるから。
と言い放ってみた。
●巻き込み力
さて、現実的には、自分の理想とする休日の過ごし方、やりたいことに相手を「巻き込んでみる」ということが手っ取り早いと思っている。でも、巻き込むタイミングと、巻き込む力はちゃんと考えないといけない。さじか加減が重要だ。無理強いは反感を招く。
仕事でも同じ。
「組織で結果を出して、昇進して行くのに欠かせないことが、周囲を巻き込む能力なんやで。一人で生み出した成果が褒められるのは平社員までや。」と、新卒で入社した会社の入社式で、社長があいさつで語っていた。
夫と妻と4歳児。スリーマンセル。一個小隊、家族だって立派な組織だ。
●趣味嗜好なんて変わらない
趣味嗜好って大人になってもあまり変わらない。つまり価値観とか「やや明るいか、やや暗いか」みたいな「性向」って変わらない。
例えば、自分のその「性向」を変えなければ、親・兄弟・友人が死ぬとか、一家が離散するとか、逮捕されて娑婆と隔離されてしまうとか、それぐらいの出来事が起きない限りそうそう変わらない。そして、大多数の人において、そんな事件級のことはそうそう起きない。
相手の考えを変えようとか、性向をなんとかしようと試みたり、戦おうとか時間の無駄だからやめたほうが良い。できることは2つだけで、「受け入れる」か「逃げる」かのどちらかしかない。「逃げるが勝ち」なんて言葉もあるしね。
話がそれてしまった。「一人で休日に漫画を読みたい、ゲームをしたい」それが本心ならすれば良い、それが明日への活力になるならすれば良い。僕は「週末に一人でゲームがしたい」という彼を否定はしない。そういう趣味嗜好は否定しない。ゲームというカルチャーも否定はしない。
でも、お前「父親だろ?」と言いたいのだ。
●父親らしく休日を過ごすということ
「子供と一緒に遊ぶのが苦痛」
よくわかる。非常によく分かる。
いや、もちろん幼児期の子供は可愛い、成長も見れて、時々泣きそうになるぐらいだ。ただ、その「愛情」とは関係なく、「遊び方・時間の使い方」という点では超退屈だ。
当たり前だ、幼児の求める遊び方なんて、ワンパターンだし、リアクションも想定の範囲内なわけで、大人が長時間付き合える性質のものではない。
子供がしたい遊び方に乗っかるから苦痛になるのだ。あなたが「退屈をしない時間の使い方に子供を巻き込む」ことを検討してみるのが手っ取り早い。
具体例を2つ挙げたい。
具体例①
僕はオセロや囲碁の類が好きだ。別に上手くはない。週末に息子と僕はオセロの対戦する。毎回僕が圧倒的に勝つので、彼は毎回悔しくて泣く。それはどうでも良い。
平日は、息子は妻を相手にオセロをやっている。妻はボードゲームの類が嫌いで苦痛だった。しかし、日に日に息子が強くなるので真剣に対戦するようになり、面白さがわかってきたようだ。今では、週末は家族3人でオセロをやっている。
家族一緒に時間が潰せて、会話もできる。合理的だ。
具体例②
先の同僚には、「そんなに漫画が読みたいなら、家族で漫画喫茶に行って、それぞれ読みたい漫画を読み耽ってみるのもいいんじゃない?」と真面目に言ってみた。
僕の家では家族3人で喫茶店のモーニングに行く。月一ぐらいの頻度で。僕は黙々とPCを触っている。奥さんは週刊誌を読み漁る。息子は仮面ライダーの塗り絵をしたり、スマホでゲームをやっている。異質に見えるかもしれないが意外と理にかなっている。
- 奥さんは大好きなゴシップ記事を読み漁ることができ、かつ朝食の準備と後片付けという家事から開放される。
- 子供は、メロンソーダを飲みながらスマホを触らせてもらえるという至福の時間を過ごしている。
- 僕は作業時間を確保しつつ、育児参加と家事負担軽減に貢献している。
すると、同僚は、「各々がバラバラのことやるのに何故一緒に行かなければ行けないのか意味がわからない」と質問をしてきた。
コイツは終わってる。と悟った。
●休日は逃げちゃ駄目
コイツは漫画が読みたいのでは無い。ただ、一人で消えたいのだ。週末の育児から目をそむけて、娯楽に逃避したいだけだ。堕落したいのだ。
この行為は、家庭内・育児から意図して逃げることと同等なのでやめたほうが良い。
男は、「平日は仕事」という大義名分を振りかざして家庭から逃げれる特権を持っている。意図的に時間を潰して帰るのを遅くすることができる。遅くなる理由なんて何でも良い。
でも、奥さんはそうは行かない、嫌なことがあっても、幼稚園に迎えに行き、自宅に戻り、洗濯を取り入れ、風呂に入れ、遊び、寝かしつけ、また朝が来る。子供か自分が死ぬまで無限ループなのだ。
だから、週末には奥さんが子供とかかわらない時間を一時間でいいから構築してやり、家事と育児から逃してやる。そう考えてやるべきなんだ。
趣味嗜好なんて合わないなら合わせる必要もない。ただ相手の趣味嗜好をちょっと覗いてみるという努力はお互いにしような?
休日に育児・家事参加しなくていつやるのよ?ってちゃんと考えてたら、「苦痛にならない過ごし方・遊び方」ができるようになるんだけどなぁ。
それでは。