「kami君大好き。会いたい。ミナミ」
「チョコを渡したかったけどダメだから、手紙を書いたよ。また遊ぼうね。美憂」
たまらんね。
いやーたまらんね。
モテモテやろ。
僕の息子の話ね。
いや、僕だってこういった性質の手紙や名刺やLINEの一つや二つ貰ったことはありますよ。もちろん、キャバクラ等の風俗系のおねいさんからだ。
さて、この記事でも触れたが、僕の息子には何やら他人を引き付けるものがあるらしい。
今この瞬間だけかもしれないが、
今年のバレンタインデーにこのような性質のお手紙を4通貰っていたことが判明した。
残念ながら僕は、幼少期をさかのぼってもこのようなモテキはなかったと記憶している。余談だが、僕の場合は年に1人だ。なぜか年に1人くらいはそういった女性が現れていた。控え目に言って、息子がうらやましい。
僕は、息子に伝えたい。人生の一瞬であっても「俺、なんでこんなにモテてるんや?」と思える瞬間を経験した側の人間かそうでないか、では後の人格形成等や収入の格差に大きく影響を及ぼすということを。
先日、息子+幼稚園の女の子4人の計5人で公園に遊びに行ったそうだ。
そこで、彼は幼稚園児にして縄跳び148回を飛んで見せた。妻曰く女子たちの羨望の眼差しと、「頑張れ!という声援」が凄かったそうだ。
僕は、息子に伝えたい・・。
大人になってから女の子4人、男の子1人で遊ぼうと思ったら、VIPルームというお部屋で10万円以上を浪費しなければならないという現実を。
このモテキ到来を機会に息子に問いただしてみた。
「モテモテらしいやん?」、「ええなあ」、「誰が好きや?」などと聞いてみた。
彼からの返答がシュールすぎた。
「お父さんが思う程、良いもんじゃないで?」
「休み時間もさ、女の子がしがみついてくるん。しゃーないから、そのままにさせてたらさ、俺遊べへんかったわ。」
マジ、ぶっ飛ばしてやろうかと。
僕は息子に伝えたい・・。
大人になってから未成年に抱き着いてもらおうと思ったら、JK〇〇〇で一体諭吉が何枚・・・
さすがに口にしない。
人は置かれる環境によってスタンダードが変わるという。
将来が末恐ろしいと感じた。
そんな息子は、過去一年で20枚近く、「大好きだの」、「また遊ぼうだの」、「結婚したいだの」思いをしたためた恋文を貰っている。
中には、一回きりの子もいるそうだが、3通も、4通も手渡してくるリピーターが多いそうだ。
しかし、彼はどの女の子にもお返事を書いたことが無い。
妻が促しても書こうとしないのだ。
制作やお絵かきの時間などで、息子が作成したモノを懇願する女の子には差し上げたりしているそうだが、誰かに向けて手紙を書いたことは無いのだ。
そんな息子が、ついに手紙を書いた。
さらに、その手紙の文言を僕にチェックして貰いたいと言っていると妻から聞かされた。
妻も手紙の内容は知らない。なぜか僕が一番に検閲をすることになった。
妻も、どのお友達が本命なのか興味深々だった。
恐る恐る中を開けてみた。
「春奈先生へ、大好きやで、どんぐり食べるで」
驚愕、仰天、爆笑だった。
息子のマセた言葉遣いや、死ぬほど汚い文字や、事前に検閲を頼んでくる用意周到さが、面白くて、成長がうれしくって。
そんな息子のことで、妻と笑い合えて、こっちが嬉しくなってしまった。
とりあえず、「大好きやで、どんぐりあげるね」ぐらいが良いんじゃないかと進言しておいた。
彼が手紙を書きなおしたかどうかは知らない。他人の恋路なんぞどうでも良い。
ではでは。