kaminomania ~倒産前に転職をした36歳会社員のアレコレ

会社の経営危機で36歳で倒産前に転職をしたアレコレ

相手を正しく承認すれば、他人から正しく承認され、そして承認は伝播する

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僕は会食の予定やどうしても終わらせなければならない業務が無い限り、20時に会社を出るようにしている。

その後、自宅から一番近いマクドナルドにいき、ホットコーヒーのSのブラックを注文し、会社仕事の資料を作ったり、本を読んだり、ブログを書いたりしている。そして、23時55分に席を立ち、家に帰る。

 

最も大切な自分ひとりの時間と位置付けている。

 

 

この店にとてつもなく素晴らしい2人のスタッフがいる。

二人とも年配だ、年齢は50歳を超えていると推察される。一人はショートカットで丁寧な接客が心地よい女性、もう一人は明るい声が元気を貰えるメガネの女性だ。

 

この二人、笑顔が素晴らしい、声がけが素晴らしい、僕の注文を覚えているなど、気持ちの良い接客をしてくれる。まあ、このような素晴らしいマインドを持っている、サービスパーソンは別に珍しくない。

 

皆さまの日常の中にも、素晴らしいサービスを受けて、自らも「会話を交わすようになったり」、「ありがとう」という言葉を発するようになった等のエピソードはお持ちだろう。そして、あなたも僕も、このような素晴らしい接客を受けると、「素晴らしいなあ」、「ああ良い接客を受けたなあ」、「また来たいなあ」と強く思うことでしょう。

 

ところで、あなたはその素晴らしい接客を提供してくださったサービスパーソンに対して、その素晴らしくてうれしかったという感情を「言うべき時に、言うべき相手に、正しい言葉で伝達」できていますか?

 

 

どうですか?

 

僕は、自分は出来ていないと思いました。そして、そのことに気づいてから、この二人には、それを伝えたいと強く思うようになりました。伝えるまで、「俺は死にたくないと思った」と言っても過言ではない。いやほんとに。

 

 

ちなみに、通常僕がコンビニや、マクドナルドの店員さんに対して、発する言葉は「ありがとう」ぐらいだ。

どうでも良いが、僕はマクドナルドやコンビニに限らず、店員さんの接客のレベルの良し悪しにかかわらず、品物とお金の授受の際に相手がちょっとハッとするぐらいの声量で「ありがとう!」言っている。

これだけは昔から意識して続けていて、習慣になっているぐらいだ。しかし、しょせんこの程度だ。

 

 

「お客様、ブラックのSで良かったですよね?」

「うん。ありがとう!」

 

楽天やドコモのポイントはなかったですよね?」

「はい。持ってないです!」

 

「お待たせしました、このまま手渡しでよろしいですよね?」

「大丈夫です。ありがとう!」

 

「ごゆっくりどうぞ!」

 

 

僕は、このプロセスを経て、毎回席に着く。

 

手渡しのくだりに関しては、「作業の邪魔になるから、トレイは大丈夫ですよ」と言ってから、大体手渡しになっている。

 

 

ある日の閉店間際のことだ。

 

僕はいつもより5分ほど遅れて、24時の閉店の合図である「ほたるの光」が流れるころまで作業をしていた。

席を立ち、珈琲のカップを捨てる為にゴミ箱に近づいた。しかし、閉店作業が始まっていて、ゴミ箱の下が開けられて、ゴミ袋が取りだされていた。

コーヒーの容器のカップはペーパーで出来ている、蓋はプラスチックだ、分別して捨てるよう推奨されている。僕はそれに従っている。

ゴミ箱には分別の仕方が一目でわかるようにイラストの記載があるが、ゴミ箱から取り出されて、床に無造作に置かれているゴミ袋にはその記載ない。

 

僕は、どうしようかと戸惑っていた。すると、レジカウンターの中から声を掛けられた。

 

「お客様、失礼しました!こちらでお預かりしますーー!!」と。いつものメガネの年配のスタッフが声をかけて、小走りで僕に向かってきた。

 

「いや・・。よろしいですか?」と僕は容器を手渡す。

 

「はい!お任せください!」と彼女。

 

 

僕はいつも通り、少し大きめの「ありがとう!」を放ち、背を向けた。

 

彼女は「いつも遅くまでお疲れ様です!お気をつけて!おやすみなさい!」と僕に言葉を掛けてくれました。

 

 

 

「ああ、今だな・・」

 

そう思いました。

 

 

 

素晴らしい接客を提供してくださったサービスパーソンに対して、「言うべき時に、言うべき言葉を、正しい言葉で伝達」できているだろうか?

 

 

「素晴らしい接客ですね。いつも気持ちが良いです。ありがとうございます。」

 

僕は、やっと言えました。

 

 

そして、「承認」は伝播する。

それ以来、マクドナルドにも相変わらず通っています。

そしてメガネの女性は、これまでよりも一歩だけ言葉を踏み込んで、接客時の声がけをしてくれるようになりました。

 

僕が、勇気をもって一歩踏み込んで相手を正しく承認したから、相手がそれに答えてくれている。この状態がとてつもなく気持ちが良いのだ。

 

冒頭に書きましたが、このマクドナルドにはもう一人素晴らしいサービスパーソンがいると書きました。丁寧な接客が心地よいショートカットの年配の女性店員です。

 

この女性店員がレジに立っていた。僕がいつも通り注文をし、いつも通りの会話が交わされたのちに、女性店員から一言話しかけられた。

 

 

「お客様、先日はスタッフに温かい言葉をかけて頂きありがとうございました」

 

 

「もう、すごいな」と僕は思わず発した。

 

 

聞けば、ショートカットの女性が社員で、メガネの女性がアルバイトとのこと。僕がメガネの女性に掛けた言葉のくだりを、社員である彼女は報告を受けたとのこと。

「私も、アルバイトスタッフが褒められたことがうれしくて、次にお越しいただいたときに感謝の気持ちを伝えたくて・・」と言われた。

 

 

さっき言われた。

 

そう、いまから一時間前ぐらいの、5月13日の21時30分ぐらいに言われた。

 

 

僕は、うれしくなって、作業の予定を変更して、一時間かけてこの記事を書いている。

この記事を読んだ誰かが、「相手を承認すること」を考えるきっかけになればと思っています。

 

ありがとうございました。