kaminomania ~倒産前に転職をした36歳会社員のアレコレ

会社の経営危機で36歳で倒産前に転職をしたアレコレ

【飲食店の接客】あなたはタメ口は許せますか?

スポンサーリンク

f:id:kami2775:20190325012109j:plain


昨晩、思いのほか早く仕事を終わらせることが出来た。

日付をまたぐことを覚悟していたが、22時半に終わらせることが出来た。

 

いつもの盛り場で一人、お酒を飲みに行った時のお話を投稿します。

尚、アイキャッチの写真は、2件目です。このお店とは関係はありません。

 

時間も時間だったので、目についた、個人居酒屋らしきとことに入店をしたんです。

 

店名は「焼き鳥〇〇」

最近よく見かける透明なビニールのカーテン?のようなもので屋台感を演出している。

f:id:kami2775:20190324212441g:plain

画像引用:

https://www.vinyl-tent.com/user_data/blog?id=2378

 

このビニールカーテンをくぐる。店主と目が合う。

 

開口一番

「ごめんねーもう串ないよ?それでもよかったら」

 

おそらく、焼き鳥をありきで、訪れる客が多いのだろう。で、焼き鳥等の串ものが無いと分かると帰るのだ。当たり前だ、ここは焼き鳥屋だから。

 

店主の目を見て、僕はうなずき、店内に一歩踏み入れる。

 

 「あ、カーテン閉めてね。今日は寒いから」

「ごめんねーもう炭落としちゃったから、おでんだけねー」

 

追い打ち攻撃がきた。「かまいませんよ」と僕は返答した。

「かまいませんよ」とは言ったものの、たこわさとか、チャンジャとか、つけものとかなんかあるだろと思いながら、カウンターの端に座る。

 

 

「ごめんね、ラストオーダーまで20分だけど・・、あるのはおでんとドテ煮くらいだね。」

 

 

入店から、まだ「いらっしゃいませ」を言われていない。

言われたのは、「メインメニューが品切れであること」、「ラストオーダーまであと20分しかないぞ」という店側からの通告だ。

 

 

文字に起こしてみると、ろくでもない焼き鳥屋のように思えて、悪態の一つでもついて、席を立つという意見の方もいらっしゃるだろう。

 

しかし僕は立たない。理由は幾つかある。

 

  • まず、閉店間際に飛び込んだのは僕だ。
  • 個人店はフリーの客が入りにくいので仕込みをギリギリで調整しているもんだ。
  • それよりも、この「タメ口野郎」の実力を知りたかった。

 

実は、一年前くらいにも一度入店を試みたことがあった、その時にこの店主から「もうラストオーダーとったから」とタメ口で断られたことがある。この時のタメ口にイラっとしたことは、今でも覚えていた。

 

 

さて、入店から僕の期待を裏切らない「タメ口店主」。ただ、この店主さほど嫌な気はしないことに気づいた。たぶん会話の頭に「ごめんね」をつけてくるからだろう。タメ口店主なりに、僕に対して「ごめんね」と言う気持ちは抱いていてるのだろうか、癖なのか、処世術なのか。

 

タメ口なのは店主の「キャラクター」だと思ってしまえば嫌な気持ちはしないかもしれない。社会に出ると、何かしらのサービスを受けたり、逆に何かを提供したりするわけだが、敬語で接することが当たり前になっている。

 

だから「タメ口」に出会うと過敏に反応をするのだろう。ここは、こちらが大人になれば良い。それに、僕は連日連夜の過剰労働で疲れ切っている。別に言い争う気もない。

 

 

タメ口店主が僕の顔を見てる。

 

「お兄さんはじめて?」

「ごめんね、初めて来てもらったのに何もなくて」

「うちのおでん食べてみてよ、とってもうまいから」

 

 

 タメ口店主がグイグイ来る。一見の客に「とってもおいしいから食べてみてよ」なんて、よほどの自信の現れか?

 

おでんのはいった大鍋を見てみる。 「大根、ちくわ、こんにゃく、それとドテ煮込みをください」と伝える。

あと、おでんのタネは「がんもどき」しか浮かんでいない。

 

「大根、ちくわ、こんにゃく、ドテ煮込みね、飲み物は?」

 

 ここで、メニューがテーブルに無いことに気づく。仕方なく店内を見渡して、芋焼酎の「久耀(くよう)」の瓶が目に入り注文した。「久耀」は僕の好きなお酒だ。これを置いている店には出会ったことはない。決して高い酒ではない。酒屋ビックやリカマンに行けば置いてある酒だ。

 

「はい、久耀のロックねー」、「これおいしいよね」と酒が供された。

 

お?

 

おお・・今のタメ口、悪い気はしない。

 

先ほど注文した、おでんが到着した。やたらとうまい。外でおでんを注文する機会はない。

実家の母親か妻がつくるものか、たまにコンビニのおでんを冬場に食べるくらいの経験値しかない。おでんの美味さを語るほどの舌は持ち合わせてはいない。

期待値の上がった僕は、ちくわと大根の追加注文をしようとタメ口店主に声をかけた。

 

「その注文もうれしいけど、これ食べてよ。がんもどき自家製だから」

 

言われるままに、大根とがんもどきを頼んだ。がんもどき、ちょっと驚くぐらい美味しかった。

次の酒は、何にしようか考えた。僕の席には、メニューが無いのだ。仕方なく、タメ口店主に「メニューが無いんですが、冷酒何かありますか?」と聞いてみた。

 

 

「今ね、あまりいいのが無いけど、お兄さん甘いのが好き?」と問われた。

 

「焼酎でも日本酒でも、甘くて華やかなのが好きだ」と伝えると一本の酒が出てきた。「綿屋(わたや)」という純米吟醸だった。うまい酒だ。

特別高い酒でもないので注文した。タメ口店主からは、メニューが無いのか?と言う僕の問いに関してはノーコメントだった。

「綿屋」という酒はとても美味しい。「うまい」とタメ口店主に伝えるでもなく言葉に出した。

 

 

綿屋がなくなった。次に何を飲もうかとキョロキョロしていた。するとタメ口店主は、「これ、試してみる?」とよくわからない日本酒の瓶を持ち上げた。

 

僕は、「いただこう」と返答した。

 

 驚くことに、何と、冷酒グラスに、一口分だけ注がれて出てきた。

なんだ、この提供の仕方は?そんな高級な酒なのか?日本酒で一口で1,000円とか取るつもりなのか?訝しく思いながら、一口でその冷酒を飲んだ。

非常にうまい。思わず、タメ口店主を見た。目があい、お互い破顔(笑)

 

 「私が勝手におすすめして、お兄さん好みじゃなかったら悪いでしょ?だから一口」とタメ口店主が言う。

 

焼き鳥屋で試飲?なんだそれは。

決して暇じゃない。安くて忙しいお店だ。厨房はワンオペだ。

 

なんだこの店主は。

バカ素晴らしいじゃないか。

 

 

 

 

なんだっけ?

 そうでした、飲食店における店員の「タメ口」論。

 

もちろん、どんな商売であれ、お客様に投げかける言葉である以上、おススメはしません。店員側がどうであれ、お客様の精神状況次第ではではクレームに発展するケースが想定されます。

 

ただ、お客さんにあなたの「おもてなし」の気持ちが伝わるなら、あなたの伝える姿勢で受け入れてもらえる場合もあるので、形にこだわる必要は無いですよね。

 

「タメ口か敬語か」だけで、飲食店の良し悪しを判断すると、もったいないケースもあるなと思いました。

 

 

「ご馳走様でした。」