妻の出産が近いので禁酒をしてみた。
アルコールを日常的に摂取しない方に理解を求める気はないが、習慣になっている者には大変つらい。
僕は、16歳で酒を覚え、18歳でいきつけのバーを持っていた。
社会人として、就職してからは日常的にアルコールを摂取してきた。
38歳に至るまで、毎晩、毎晩、何らかの酒を飲み。毎晩、毎晩、ちゃんぽんをしている。
アルコール摂取量としては、焼酎ロックを6杯~8杯が目安、ワインであれば一本開けるぐらいがちょうどいい。
休日には朝一番に喉を潤す液体が発泡酒だ。原則として、休日は、自家用車のハンドルを握らないタイプだ。
ちなみに、僕は僕自身をアル中とは認識していない。愛好家レベルだと思っている。
僕はこれまでに休肝日を作ったことが無い。
僕が、敬愛する故やしきたかじん氏がこう言っていた。
「休肝日を作るから肝臓は油断する。その間隙をついて肝臓は病に侵される」と。
また、「休肝日を作らない=肝臓を鍛え続けることになる」と。
ばかばかしい。しかし、やしきたかじん氏は癌で死んだが最後まで肝臓は元気だったようだ。知らんけど。
今回、禁酒をしたのには理由がある。その理由は、長男の出産時にさかのぼる。
当時、不動産の営業マンだった僕は、案件の契約に成功した。その夜、妻は豪華な晩御飯を用意してくれていた。
予定日まで10日以上先だった為、僕は酒を飲んだ。
自らが取りまとめた契約の難易度の高さを語り、妻は「よく頑張ったね」とほめてくれた。
この、旦那が頑張り、その成果を雄弁に語っている旦那をキチンとほめるというスキルが妻には必要だと思っている。
嘘でもいいからやっておけ。夫婦関係が上手くいく。
食事兼晩酌は3時間続き、僕はたらふく酒をのみ酔っ払った。
そして妻は破水した。
僕は破水した妻が運転する車に乗り込んだ。
助手席の僕は、興奮冷めやらぬ面持ちで、アルコール臭のする息を吐いていたそうだ。
車に一緒に乗り込んだ理由は、入院セットを運搬する為だ。酒に酔っ払ってもこれぐらいはできる。
僕は、荷物運びの役目を全うした。ベッドに横たわり、モニターや点滴に繋がった妻を適度に励まし続けた。
このころは、破水=スクランブル状態だとは認識していなかった。
僕は、一時間後にはベットサイドのパイプ椅子で寝落ちした。
そして、スーパーのレシートをメモ代わりにし「酒が抜けたから帰る」と裏書きを残し、朝方に妻の車を運転して帰ったそうだ。(あまり覚えていない)
なかなかのクズ野郎エピソードだ。
自分でキーボードを打っていて吐き気をもよおすほどのクズっぷりだ。
批判は甘んじて受け止めよう。仕方がない。事実だから。妻にはいまだにいじられる始末だ。
おそらく一生言われ続けるのだろう。まぁいいさ。男にはそんなエピソードの一つや二つが必要だ。笑い飛ばしていけばいい。
あれから、6年がたった。
僕は、同じ轍は踏むわけにはいかない。今回僕は、このような背景を背負った上で禁酒に臨んでいるのだ。
禁酒をするにともない、僕が実行しことはシンプルだ。
ただ、視界からアルコールを消すだけだ。
とは言え、家には多くの酒があった。視界から消すとは言え、捨てることは出来ない。
であれば手法は一つだけ。シンプルだ。全て飲み切るのだ。
いやー、この一週間飲んだ飲んだ。たらふく飲みました。
コロナ禍もあり、会食もないし帰宅も早い。宅飲み最高です。
でも、全てを飲み切ることは出来ず、缶ビールが2缶残った。これは常温に戻しておいた。
僕は「嫁ちゃん、ほぼ飲み切ったよ。今日から禁酒するで。」と伝えた。
妻は、「6年前の再来は嫌だから、陣痛タクシーを予約済みよ。だから飲みな。」と言ってくれた。
ふぁっ???
期待されていない??
僕は、この妻をどうジャッジすれば良いのか?
いや、待て待て。みなまで言うな。
すごく思いやりがあり、できる妻、男前な妻だよね。
うん。僕もそう思っている。
でもね、これはねー、これはねー、俺意外の旦那だったら、旦那をダメにするタイプよ?
なんて偉そうに。
いい夫ぶって、書き始めて1600文字。
本日で禁酒2日目です。
もう心が揺らぎそうです。
この一週間程度で、生まれる予定です。
あー、ストロングゼロが飲みてぇ・・。
こっちが好き。GIGAレモンはすっぱい。
ではでは~