「富士山溶岩からあげ」が情報番組で紹介されていた。
からあげのビジュアルは、このように真っ黒である。
一般的に、からあげのビジュアルと言えば「茶色」だろう。さすがに、真っ黒なからあげともなると目をひく。
消費者は、「へぇ、富士山のふもとだもんな。大昔に噴火したときの溶岩が潤沢にあるのだろうな・・。
あれ、溶岩って黒いんだっけ?」なんて思いながら財布を開き、食券を購入することになるのだろう。
溶岩って、黒いんだか、赤いんだか、噴き出したマグマが冷めたら黒い塊になるということなんだろう。
溶岩ってどんな味がするんだろうか?多分、溶岩を細かく砕いて「溶岩粉末パウダー」にしているんだろうか、たぶん味はしないだろうな。
ほら、ワサビアイスとか、しょうゆアイスとか、あんなのと同じだろう。「なんだよ、ほとんどバニラ味じゃねーかよ笑」なんてリアクションが想像できる。
そんなことを思いながら、富士山溶岩から揚げが出来上がるのを待つことになるんだろう。
結論を先に言うと。
この「富士山溶岩からあげ」には、溶岩を細かく砕いたパウダーは加えられていない。
溶岩パウダーが添加されていないと伝えられると、「食品衛生上駄目だろうな」と理解が早い。
しかし、事前に知らされていなければ、「ヒマラヤの岩塩みたいに、削り出して不純物取り除けば食べれるんじゃない?」と思ってしまう消費者も多いだろう。
それでは、溶岩プレートを使うとか、フライヤーの中に溶岩の塊がぶち込まれているとか、調理工程のどこかに溶岩が使われているという訳ではない。
真っ黒なビジュアルを作り出しているのは、「竹炭」だ。
衣に竹炭パウダーが練り込まれている。
ほう。竹炭とな。
では、それは竹炭からあげであって、「溶岩からあげ」ではない。
町おこしや、集客という観点で、目玉商品を作りたいのは分かるけど、ちょっと無理がある。無理っていうか、ちょっと痛い。
ワサビソフトだって、しょうゆソフトだって、すくなくともワサビとしょうゆは食べれるものとして添加されているのだ。
でも、これは違う。
溶岩を竹炭に置き換えて、「溶岩からあげ」と名乗るのは、無理っていうか「激オコ」な気分になる。
もし、旅先でこれに出会ったら期待が高まること間違いない。飲食業界における最重要キーワード「映える」こと間違いない。購買心が掻き立てられる。
着眼点は良かっただけに、もうちょっと「ちゃんとしようや」と思うのである。
僕の心は、富士山のように雄大ではない。
ではでは。