【注意】
本記事は、「マカロン」が大好きな方には大変不快な表記が含まれているので、そこのところよろしくお願いいたします。
「マカロンを手土産にもっていくような女にはなりたくない」
そう言い放ったのは僕の妻だ。
僕の両親に宛の手土産を購入してくれている。地元で評判の菓子や特産品を、わざわざ各店を回り購入している。
そんな妻に対して、僕は暴言を吐いたそうだ。まただ。しまった。
今回、帰省の手土産を何にするかという意見交換の場だ。
「マカロンとかラスクみたいな洋菓子でいいんじゃないかな。かわいいし。」と、何の気なしに僕は発言した。
妻は僕を見て一言。
「は?マジでいってんの?」
その後、多分にディスりを交えた「マカロン論」講座を受講することになるとは思わなかった。
受講後僕は、「もう良いです。安易な発言でした・・」と妻に伝えた。
あくまでも、サンプル数は「1」だが、偏った嗜好のない妻がこれほどにこき下ろす「マカロン」とはいったい何なのか?
この手の商品なんて一瞬で過ぎ去っていくものだが、ブームは下火だが専門店もちゃんと生き残っているようだし・・。
妻曰く、「マカロンを持参して喜ぶ層が確実に居る」ことが、マカロンのアイデンティティとのこと。
マカロンを論じる(ディスる)
いい?私は、マカロンを購入したことが無いのにマカロンを批判しているわけではないからね。
当然、自らのお金で購入し食したことがある。さらに、マカロンを人に送ったこともある。それもマカロンブームの渦中に。そして、納得ができずにいくつかのお店を回った経験も持っているわ。一個400円のマカロンを購入したことだってあるの。
いい?その上で私はマカロンを論じるのよ。
あれは、一言で言うと、「馬鹿になれないと買えないお菓子」だと思うわ。
まず名前ね。「マカロン」よ?マカロン。名前が幼稚よ。ペコポンとか、ポケモンとか、そんなのと同等の響きを持つのが「マカロン」なのよ。
それを、36にもなる女が「近所で評判のマカロンなんですう」って持っていける?評判であることが伝わると思ってるの?てゆーか、「近所で評判のマカロンってなんだよ?」って感じじゃない。「百貨店の地下食品フロアでふわふわ系女子が群がっていたマカロンなんですぅ」が正解だろって。
次に価格よ。あんな一口サイズのものに200円以上も支払うのよ?ありえないわ。例えば高級な「フルーツ大福」ならまだ許せるわ。一粒単位でも価値のあるいちごやシャインマスカットが存在することを知識として知っているから。
でもマカロンはみとめない。マカロンを構成する素材を考えてごらん。パーツで言えばクリームとフタよ。フタは砂糖と卵白でできてて、クリームは生クリームよ。その程度の構造で一口200円以上がってスタンスが気に入らないの。
次に味ね。味というか食感よ。何?あのフタ。あのフタは和菓子で言うところの「最中(もなか)のフタ」ね。口の中の水分を吸収して、ペタっと張り付くあの感じ。「えっなに?貴方見かけとは裏腹に粘着系のS●Xをするタイプなの?」って、一度でもマカロンを食べたことのある人なら思うはずよ。
貴方は手土産を考えたときに、仮にそれが和菓子だったとして、「最中」を選ぶのかしら?「あぁ、最中を贈りたい!!」って一番に想像したことある?無いよね?多分、どらやきだったり、大福だったり、わらび餅だったり、おせんべいだったり、するんじゃない?
ね、ちょっと冷静に考えたら分かることなのよ。手土産を和菓子でって考えた場合最中を選ばない理由を、洋菓子に置き換えてみたら良いのよ。シンプルに「食感が宜しくない」のよ。
これが世論よ。10人いれば7人がこう評価する食べ物が「マカロン」なのよ。マカロンがまずいって言ってるのでは無いよ。
「まずくもないけど、美味くもない」と思うのが多数派な食べものを、人に贈るってどうなの?ってことが言いたいのよ。
その「マカロン」を、70歳を超えた義理の両親の手土産に選ぶ嫁ってどうよ?私はどう思われるのよ?貴方は私をどうしたいのよ?
だから、マカロンは、「馬鹿じゃない」と購入できないよねと思うのよ。
ただ中には、この「馬鹿じゃない」を「おバカっぽく(可愛らしく)思ってもらえるかも」と、考える策士もいるから注意が必要なのよ。
こんなに汚い言葉じゃなくて、マカロンを批評するなら、相手を選ぶ難しいお土産ということね。
「マカロンを持参して喜ぶ層」が嫌いなだけじゃん。
話を聞いてみればなんてことは無い。「マカロンを持参して喜ぶ層」が嫌いなだけだ。付け加えると、「マカロンを手土産に選んだ私ってイケてる」的な脳内お花畑層が嫌いなだけなんだろうなと思う。
僕は、別に良いと思ってる。例えば、「私、マカロンって食べた事無くて・・、こういったタイミングでも無いとなかなか・・。お義母さん一緒に食べません?」的な言葉を嘘でもいいから添えて渡せば良いのにと思う。そのほうがよっぽど可愛らしい嫁だわ。
まあ口が裂けても本人には言わないが。
さて、今回の帰省だが、兄夫婦とタイミングが重なった。兄が2日早く帰省していた。私達と重なる期間は2日間だ。
実家に帰ると一番にすることは決まっている。仏間に行き、お線香とろうそくに火をつけ、般若心経を唱えるのだ。「今年も無事に帰ってくることができましたよ」と。
お盆なので、様々なお菓子が仏間にお供えされていた。その中の一つに洋菓子の包みを見つけた。そう「マカロン」だ。
それも、兄嫁が購入したマカロンだ。
妻が、洋菓子の包みを一瞥し、意味ありげに僕の目を見つめてきた。
「まぁ!マカロンがあるわよ。お義姉さんらしいわぁ」
ってな具合に。
私の妻と兄の妻の性格が合わない事はうすうす承知していた。それに確信を得た瞬間だ。
将来、僕たち兄弟の中は、嫁同士の諍いで破綻する可能性があり得るかもしれない。
そんな、一足遅れのお盆がスタートしました。