「お父さん、ひらがな教室行きたくない。」
なんで?理由は?
「座ってるの退屈。文字書くのも苦手や…」
ほな、辞めてくれや。
「え?(驚)いいの?」
ええで。行きたくないモノに何で金払わなあかんねん。その代わり何を学ぶ?
「学ぶって?僕は遊びた・・・」
やっぱり、お父さんとしては、やっぱりお勉強系がいいと思うな。
いっそ、鉛筆書きすっ飛ばして習字はどうや?おもろいやん。毛筆やでかっこええやん。そう思わん?
まてまて、そろばんもいいなあ・・計算に強い脳が出来るで。
そろばんよりインド式掛け算も気になるな。お前な、計算に強いと銭儲けに生きてくるで。おかげでインドはIT大国になったんや。シランケド。
やっぱり語学が無難やな。お前、俺の影響で、F〇CK YOUとか言うやろ?グローバル人材の共通言語はやっぱり英語やで。
あのな、残念ながら日本はもうアカンで、アメリカもアカンとは言わんけど、独裁国家は強いで。ネクスト覇権国の中国語にしとけ。
息子の言いたいことを遮り、適当にまくし立ててみた。
そばで見ていた妻から、「いい加減な事を言わないで」と怒られてしまった。
「おとうさん、そうじゃなくって・・」
勉強は嫌か。なら、スポーツでもいいぞ。
お父さん的には、客観的に見てもサッカーの素質はあると思うぞ。ダンスに興味があるならそれでもいいぞ。
「何かを習わなければいけないの?」
子どもが学びを放棄してどうする。
何かを学べ。 最低週に一回、これは君の義務です。決定事項です。
一回行ってみて、嫌ならその日に辞めてこい。そして次の学びを探せ。
「お金が、かかるしもったいない。」
これは「使わなければいけないお金」なの。
このお金を、君の為に使いきるのが、僕たちの義務なの。
「そんなの、貯金すればいいじゃん。」
あのな、幼稚園児の頃から貯金なんて言葉使っていたら、大人になってから稼ぐことは出来ないよ。
お金は、正しい使い方をすれば、5年・10年という時間差で自分に戻ってくるんだよ。だから、使うの。
「じゃあ、そのお金を僕にちょうだい。」
いいよ。俺を納得させる使い方を提案できたらね。
で、何に使う?予算は2万円までね。いくら欲しい?
「じゃあ、2万円・・・」
いいよ。で、何に使う?
今、答えは出さなくていいから3日間考えて。例えば、幼稚園のお友達に「君は、何を学んでいるの?」って聞いてみたら。3日後に聞かせてよ。
・・・3日後
「おとうさん、やっぱりひらがな教室でいい・・」
アカンアカン。戻れない。
辞めたいって言ったから、解約しといたで。
てゆーか、『やっぱり』って、お前なめとんのか。
僕はキレた。息子は久しぶりに大泣きした。
泣き叫ぶだけでなく、僕を叩きにきた。妻がフォローに入るが止まらない。妻も叩かれてしまった。妻が、僕を睨みつけてくる。
もちろん解約はしていない。突き放してみただけ。
理由は3つ。「自分が吐いた言葉は簡単には取り消せない」、「大人をなめるな」、そして「最も消極的な選択肢」を選んだ息子を叱ろうと思った。
少し落ち着いた息子と話をした。子どもの義務とは何か?ということ。
また、何故僕達夫婦が「ひらがな教室」を選んだのかを丁寧に説明した。
何を学ぶかはそれほど重要ではなく、「続ける」事に主眼を置いたこと。
ひらがな教室は、放課後の幼稚園の教室に外部講師を招くこと。
一緒に学ぶメンバーが同園の友人であること。
ストレスが少なく継続しやすいということを説明をした。
息子が、僕達の考えに納得がいったかどうかは分からないが、続けられることにホッとしたように見受けられた。
今日で、6回目の書き方教室だった。
「今日も、花まるもろたで!」
練習帳を見せてくる息子の姿が逞しく見える。
僕は、こんな感じで息子と付き合ってます。
ではでは。