ガンバライジングを引退する日が近い。
引退という程のめりこんだわけでも、長期にわたってプレイをしていたわけではない。
ガンバライジングの存在を知らない方は下記の記事を参照にしてほしい。簡単に言うと、「ゲームセンターの筐体でプレイする、仮面ライダーのカードゲーム」だ。
もちろん、ただ引退するわけではない。乗り換えるのだ。
このあたりの記事でも触れたポケットモンスターだ。ポケットモンスターに出会ってから、我が家のビデオディスクは、ポケモンのアニメと、ポケんち一色になっている。
僕は、息子に真意を確かめるべく迫った。
「お前、ガンバライジングとポケモンガオーレのどっちがやりたい?」
間髪入れずに
「ポケモン」
畳みかけるように
「ポケモン ポケモン」
連呼された
刹那。心の中で3回は息子を殺した。
ちょっと待ってくれ。これまでに、どれだけ週末の時間と金を注ぎ込んできたと思っているのか?この一年で、15万円は使ったぞ。
手っ取り早くレアなカードが欲しいとせがまれ、中古ショップでレアカードを買い与えた時あんなに喜んでいたじゃないか?
「見てほしいこのキラキラしたカード達を。こんなにも輝いているじゃないか。」
「燦然と煌めくゴールドや、えぇ顔してるやろぉ・・。」
「なぁもう一度ガンバライジングをやろうじゃないか・・」
「ゲームセンターに行かなくてもお友達と遊べるポケモンカードがいい」
「え?」
「ちょっと待って?」
「待って待って、ポケモンカードって?何? いや、もちろん「ポケモンカード」の存在は知っているよ。そこじゃない。そこじゃない。ゲームセンターにあるポケモンのゲームと言えば、『ポケモンガオーレ』(ガオーレは終了したので、ポケモンメザスタ)でしょ?ポケモンガオーレがやりたいんだよね?」
「お友達の家でポケモンカードがやりたい」
「ちょっと待って、それは駄目。」
「其処にお父さんが、いないじゃん!お父さんはいけないじゃん!お友達と遊びたいだけじゃん!!」
「休日にお父さんとゲーセンでポケモンがやりたいんだよね?え?何?もうお父さんいらない?いらないの?」
「お父さんとは家でやってあげる。それに、毎週ゲーセン行く方がお金を使うよ。あそこ、うるさいし薄暗いし。」
やってあげる・・・。
素直に喜べないが、父が不必要ということではないらしい。
このやり取りを見ていた妻が僕を説き伏せてきた。息子のお友達のお母さんから聞いた情報によると・・
- ポケモンカードは、足し算・引き算・掛け算、文字の読み取りが必須な頭脳ゲームであること。
- 500円で60枚セット(これをスターターデッキという)のカードパックを購入すれば十分遊べること。
- 休みの度にゲームセンターに行くことから解放されること。
- 幼稚園児同士ではゲーム進行が困難なので父親の存在は不可欠である。
だから、買い与えても良いんじゃないか?と妻は言った。
僕は、父親としてメリットが多いポケモンカードに乗り換えると判断した。特に「4」だ。「4」の理由にひきつけられた。僕が参加できないゲームは買ってやんない。
「よし、買おう。俺は、ポケモンカードを買うぞ」息子にそう言った。
息子の目の前でパソコンを開き、アマゾンでポケモンカードをチェックした。
簡単にポケモンカードの公式サイトを閲覧し、初心者がスターターデッキパックを購入するメリット等を理解した。
さらに、ポケモンカードには世界大会なんてのもあることを知った。ちなみに、優勝賞金250万円、賞金総額1200万円だそうだ。
夢があるじゃないの。
僕用に、炎のデッキを、息子用に格闘のデッキを。2種類のスターターデッキを購入した。ちなみにお友達は、雷のデッキを一週間前に購入済みだそうだ。
この展開の素早さに、ご満悦な息子。
この素早さはバカ親のなせる業だ。僕が、ガンバライジングにのめりこんだ時と何も変わっていないなと思った。ちょっと自虐。
ご機嫌な息子が調子に乗ってこんな言葉を言い放つ。
「お父さん、ガンバライジングのキラカード売ったらお金回収できるで」
・・・それはアカン。
まだアカンやろ、まだ忘れ去ったわけじゃない。
あのガンバライジングカードには俺とお前の一年の思い出が詰まってるやんけ。
それをさ、売却して少しでも金銭を回収するとか、それはちゃうやん。俺の息子らしい銭ゲバ感あふれるセリフだけど、認めない。
まだ買い取りサイトのページは見れそうにない。
ではでは