企業によるコロナ対策にはどんなものがあるだろうか?
テレワーク、時差通勤、マスク配布、消毒薬の設置等々・・・。
各々の勤務先によって対応はまちまちだろう。僕が執務するオフィス内には子育て中のママ達がバリバリ働いている。役員の女性も息子を幼稚園に預けて働いている。
最近の話題は、コロナウィルス一色である。子持ちのママとなれば、こういった問題への感度が非常に高いのだろう。
彼女たちの発言力は強い。社長に対し社内のコロナウィルス対策が後手に回っていると進言し、矢継ぎ早に様々な対策が打たれていく。
- 自社ビルの出入り口やトイレに手ピカジェルや本格的な消毒ボトルが設置された。
- 時差通勤が導入され、始業時刻が9時から10時になった、退勤時刻は18時のままで変更はない。尚、当社ではテレワークが難しい。(今すぐにはできない。IT遅れの企業です)
コロナウィルスと直接関係はないが、トイレットペーパーが品薄になった時には、トイレットペーパーが支給された。
それも、エリエールが1パック。(シングル、60メートル、12ロール入り)
画像引用:大王製紙
これを手渡された時には、ずっこけそうになった。
これを、素手で持って帰れと?
これを手にぶら下げて、通勤電車に乗るほどの勇気は持ち合わせていない。
それゆえ、一日1個づつ、リュックに入れて持ち帰っている。
万が一、帰宅中に職務質問に合った場合には、盗難品と疑われるのかもしれない。
犯罪者に疑われないようにリスクヘッジが必要だ。
しかし、ありがたい。
「社長、ありがとうございます」と力強く言って受け取った。
マスクが配布されることになった。
東日本大震災を教訓に、社内で備蓄していたものを放出してくださるそうだ。
「マスク支給申請書」なるものを総務の女性が作っていた。
何だその申請書は?そんなもの必要なのか?社員に一箱づつでも手渡せば良い。
そう思ったが言葉を飲み込んだ。僕はまだまだ転職したての新入社員なのだ。
マスクの支給申請書の文面はシンプルなものだった。
しかし、そこには、驚きの文言が書かれていた。
「3日に1枚を限度として一人一枚お渡しします。(ご家族分は不可)」
社長・・。
少ないっす。
まぁ。
会社の備蓄といっても限度がある。
もちろん、大変ありがたい。
社員のために、社業のために何とかしようとする中小企業の社長の鏡だ。
その心意気に、「社長、ありがとうございます!」と力強く言った。
マスクを受け取る為、総務の女性に近づき「マスク支給申請書」を渡した。
僕の、目の前には二つのマスクが見えた。
ん?
「どっちにする?」
え?
立体型のベージュ色か桃色の二択だ。
画像引用:https://www.arax.co.jp/pittamask/lookbook/soft-beige/
究極の2択じゃねぇかよ。
否。
これは殻を破るチャンスだ。
おれは、試されている。
突き抜けろ。突き抜けろ。
「ベージュで・・。」
勇気が無かった。
「だよね。」と総務の女性が微笑む。
「アリガトウゴザイマス・・。」
声が震えた。
ではでは。