先月、横浜に引っ越していった知人を訪ねた。
彼は、家族と共に中華街の近くに居住している。中華街で食事をしながら、思い出話や近況を語りあった。
そこで、今回の記事タイトルだ。「横浜中華街にて、中華民国と中華人民共和国に対する無知を知る。」
僕自身、この手の話には興味はあれど及び腰である。この手の話とは、中国と香港、中国と台湾、日本の植民地支配の歴史、日本と韓国にまつわる徴用工問題・領土問題等のことである。
及び腰になる理由は単純だ。「調べるほどに、わからなくなる」からだ。各人の思想によって、歴史の解釈が異なるからだ。
もっとも、政治、宗教、教育、学歴、野球の話題と並んで、とてもデリケートな話題なので話せる相手も限られる。
これまでに、複数の高齢の方々に、「近代日本史」、とりわけ「日韓問題」等の認識に関してお伺いしたところ、話す内容に違いがあった。
書籍や新聞でもニュアンスが異なる。当然と言えば当然で、新聞であれば朝日新聞が「左(反政府)」で、産経新聞が「右より(政府より)」というスタンスの元、報道がなされるので、この手の話は正解が分からなくなる。
一言で言うと、「あの時の日本って、令和の時代までガタガタ言われなきゃいけないくらい、悪かったのか?」と言う事。
イギリスも、アメリカも、オランダも、スペインも、フランスも、ベルギーも、ポルトガルも植民地を持っていたのに、なんで?
と言う疑問だ。
、、
、、、
さて、本題です。
10月1日 横浜中華街は「国慶節」
「国慶節」は、中華人民共和国派(中国本土派)のお祭り。街中には中華人民共和国の旗が立ち並びます。
http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/eventinfo/ev_detail.php?bid=yw3512
10月10日 横浜中華街は「双十節」
「双十節」は、中華民国派(台湾系)のお祭り。街中には中華民国の旗が立ち並びます。
http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/eventinfo/ev_detail.php?bid=yw3513
友人から、このように説明をされた。
僕は、意識もしたことがなかったので、「へーそうなんや。で?」といったリアクションだ。
彼は、仕事柄華僑(華人)と関わることもあるとのことで、詳しく話してくれた。
中華街について知らなかったこと
①中華街の中でも、中華人民共和国系(中国本土派)と中華民国派(台湾派)のお店に分かれているということ。
②それらの店の違いは、日本人には見分けがつかないこと。店構えや提供される料理に明確な違いはない。
見極める方法としては、10月1日の「国慶節」の日に、休業しているお店は、中華民国派(台湾系)と考えて良い。
③中華街の住人(華僑・華人)の子供たちが通う学校も分かれているということ。
中華民国派の「横浜中華学院」と中華人民共和国派の「横浜山手中華学校」の2つが存在しているということ。
④そして、彼らが中華街で生きていくにあたり、共産主義か民主主義か、どちらの体制を支持しているかどうかは、そう大きな問題ではないということ。
仮に、中国本土と台湾との間にある火種が燃え盛ったとしても、横浜中華街で目立った諍いが起きるということはない。
彼らにとっては、日本の中華街でビジネスを成功させていくことが重要であり、「イデオロギーよりも飯のタネ」という考え方が多数派だということ。(※当然、そうではない人もいることを付け加えておく)
冷静に考えてみればそうだ。
日韓関係だから、中台関係だから、「苛烈なはず」と構えすぎる思考が、より物事を複雑にしているのかもしれない。
僕達だって、「自分との関わり(損得)」の範疇で物事をジャッジすることが多い。
まず「イデオロギーでありき」騒ぐ層は少数派だ。
(※当然、そうではない人もいることを付け加えておく)
数百メートル四方のエリア内に500店以上の店舗があり、東アジア最大の中華街。
この町をこのような側面で考えたことがない自分を恥ずかしく思った。
反面、知ることが出来たことは喜ばしく思いたい。
ではでは。