きっかけは、お酒の味を覚えてからだ。
食べれないわけではないが、好んで食べなかった食べ物が、お酒とのマリアージュで好物へと変化するということが増えたなと思った。
酒飲みの特権かもしれない。
魚の内蔵
例えば、サンマの内蔵。赤茶色の部分だ。
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子供の頃は、身の部分に内蔵が付着していることが耐えられず、箸の先端で必死に剥がしていた。
その結果、身がボロボロになり、食べれる部分が極端に減ってしまう。手間がかかる割に、食べた気がしないという印象を抱いてしまった。
しかし、日本酒、特に「燗酒」を覚えてから、印象ががらりと変わった。日本酒は燗にすることで、ふっくらした米の甘味が引き立つ。その芳醇な香りと、内蔵の苦みがまぐわり感動を生む。
出来れば、旨味やコク、ふくよかさなの特徴が強く出る。特別純米酒でいただきたい。
これは三重のお酒だがここ一年のおすすめだ。まだ、全国区になってないのでお値段もお財布にやさしい。
オリーブ
ここで言うオリーブとは、パスタソースの中に入っているオリーブの欠片とか、アクアパッツァの中に入っているオリーブではない。
オリーブ単体を塩漬けしたものだ。絵的に言えばコレ↓
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初めて、これを食べた時には、口の中から鼻に抜ける感触は「不快」の二文字であったと記憶している。
隣の席のジェントルマンが、「とりあえずオリーブと赤ワイン」なんて注文している姿を見かけたときには驚きだった。
もちろん、赤ワインを覚えてから開眼した。語彙が少なく表現ができないが、どのようにマリアージュするのかは筆舌に尽くしがたい。一言で表すなら「潔さ」を感じた。
臭いチーズ達
最後は、「臭いと言われるチーズ」
臭いチーズと聞いて、ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ)、カマンベールカルヴァドス等をイメージする方が多いだろう。また、ゴーダチーズを挙げる方もいるだろうか。
この3つの中で賛否両論が分かれるのが「ゴーダチーズ」だろう。「え?ゴーダチーズって近所のスーパーにも置いていて食べやすいよ?」という印象を持たれる方も多いだろう。
そもそもチーズは、「熟成期間」と「製法」によって香りや味わいが大きく変化するものだ。一般的には、熟成期間が短いほど尖っていて、長いほどまろやかだったりすると言われている。
また、製法に関しては、同じ名称のものでも、フレッシュなものから、熟成させるものから、通常よりもカビを多めに添加するもの、チーズの表面を塩水で擦り洗いして菌の繁殖を促すものもある。
スーパーで販売されているカマンベールチーズと、専門店で販売されているカマンベールチーズでは、名称が同じでも、塩味や刺激臭が全く異なるものも多い。
チーズの前置きが長くなってしまった。「シェブールチーズ」の話をしよう。
「シェブールチーズ」の原材料は、ヤギの乳である。ちなみに、ブルーチーズ、カマンベール、ゴーダチーズの原材料は牛乳だ。ヤギのチーズは、牛乳のチーズと比べて非常に癖がある。
さらに、シェブールチーズはビジュアルが衝撃的である。もちろん全てのシェブールチーズがとは言わない。同じシェブールタイプでも製法が様々だからだ。
僕が出会ったのは、木炭粉をまぶすタイプのものだった。
これだ。
なかなか、パンチのある面構えじゃないか。
小学生5年生のころ、給食に出たプロセスチーズを机の中で発酵させて、「サイバイマン」とあだ名をつけられていた、耕平君を思い出した。
一口食し、刺激臭のある匂いと酸味に悶絶した頃が懐かしい。このチーズをどのように制するべきなのか・・。
赤ワインではだめだ、チーズに負ける。もっと刺激の強い酒が必要だ。
そうウィスキーだ。
さらにウィスキーでも、甘くて華やかな部類に入るウィスキーではだめだ。ピート香と塩味の強い酒が必要だ。
例えば、「アードベック」、「ラガヴーリン」、「スキャパ」、「オーバン」が良い。一押しは、「オーバン」だ。圧倒的に塩が効いている。
僕は、シェブールチーズに出会ったおかげで、シングルモルトウィスキーの奥深い世界に足を踏み入れることが出来たのだ。
食べれない、食べにくいものに、ただ「NO」を突き付けるのは簡単だ。どのように対峙し、素晴らしいもの部分に気付くことが出来るのか・・・。酒飲みの命題である。
どんなお酒でも、そこそこ飲める体質に生んでくれた両親と、様々な酒を教えてくれた諸先輩方に感謝だ。
ではでは。皆様良い週末の晩酌を!