去る土曜日、幼稚園に通う息子の「発表会」があった。
年少・年中・年長、それぞれ合奏、劇を披露する発表会である。
僕は発表会には行けなかった。仕事があった。
原則、土日祝が休みだが抱える案件によっては土日に仕事をすることも多い。
妻から発表会の日程を知らされた時、「残念だけど、出席はできない」と伝えた。
嘘は嫌いなので、「絶対に出席できないわけではないが、出席しない」と正確に付け加えた。僕が仕事を休んだとしても、成果物には大差はない。同僚や上司も困らない。
「成果物の出来云々ではなく、成果物が出来上がる過程を観察し、全体の流れを把握したいという考えから出勤をする」という意思を説明した。
妻は「あの子には納得するように説明するので心配しないで」と言ってくれた。
彼女は、息子と向き合う時、あいまいな言葉やごまかしが無い。「あなたの為にお金を稼ぎに行くから、行かない。」と直球で言うのだ。
妻は、貧しい家庭で育ったので金銭的な豊かさを強く求める傾向にある。妻は、5歳児の息子に対しても金銭的な観点をしっかりと植え付けることを是としている。
家族と仕事のどちらを優先することが良いのか?正しいのか?
良い、正しいという言葉が不適切だが、好ましいのは「状況次第で自由に切り替えれる」ことだろう。
これには、寛容な制度がある職場や、理解あるパートナーの存在が不可欠だ。
- お友達のA子ちゃんのお母さんは、「旦那が子供の行事に来ないのは許さない」という考え方だ。旦那さんとの間で一筆を交わしているそうだ。
- お友達のB君のお父さんは、「息子ファースト」だそうだ。率先して早朝から並び最前列を陣取る。奥さんの説明不足で場所取りが上手くいかなかったり、ベストショットを取り損ねた時には、その場で奥さんを激しく叱責する。
極端な例だとは思うが、こうなってくると辛い。僕は無理だ。
いずれにせよ、人間、家庭も、仕事も、人生も、選択肢が少ないと不幸感を感じるんじゃないだろうか。
発表会では、息子はしっかりと劇の役をこなし、木琴を間違えずに叩けたそうだ。
妻が動画や写真を送ってきた。
直後、妻からスマホに着信があり、通話ボタンを押した。
聞こえてきたのは息子の声だった。
「僕な今日頑張ったで。出来も良かったってお母さん言うてたで。」
「ご褒美、焼肉屋に行きたいんや。お父さん稼いだんやろ?」
と言われてしまった…。
何事も、ほどほどに。
ではでは。
PS 活字にすると、関西弁ってきっつぃなあ。